’24-01-17 会長挨拶 北村淳

 1月は職業奉仕月間ということで、今週から3週に渡って職業奉仕関連の例会を開催いたします。第1回目の今日は地区職業奉仕委員会から梅澤委員長にお越しいただきまして「人にはそれぞれの職業奉仕」ということでお話をいただきます。第2回目の来週は「人にはそれぞれの職業奉仕」の卓話を元に「私の職業奉仕」をテーマにグループディスカッションを行います。そして第3回目で各グループの発表を行うという流れです。詳しい内容は吉田職業奉仕委員長から説明があるかと思います。

 私からは「ロータリーの目的」を職業奉仕の視点から見てみたいと思います。皆さんご存知の「ロータリーの目的」ですが、ロータリーの金看板である職業奉仕のことが書いてあります。活動計画書をお持ちの方は最初のページをご覧ください。

 ”ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理想を奨励し、これを育むことにある。”

この”意義ある事業”を皆さんの職業である事業に置き換えてみると分かりやすです。

 ”ロータリーの目的は、皆さんの事業の基礎として奉仕の理想を奨励し、これを育むことにある。”

具体的に次の4項を奨励することにある、とあります。

 第1  知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること;

この項は顧客を広めることによって職業奉仕の機会とすることと読めます。顧客が多くなれば自ずと職業奉仕の機会も増えてゆきます。

 第2項が一般的に職業奉仕の土台と言われており、3つのことが書かれています。

 *職業上の高い倫理基準を保つこと

 *役立つ仕事はすべて価値あるものと認識すること

 *社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること

この3つです。ロータリーでは、高潔性と高い倫理基準が重視されています。その中でロータリアンによって生み出されたのが、「四つのテスト」と「ロータリアンの行動規範」の2つで、職場や生活のあらゆる場面で倫理的行動を実践するための指針となっています。「四つのテスト」は皆さんご存知です。「ロータリアンの行動規範」は、ロータリアンとして、私は以下のように行動する。ということが書かれています。

 第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること;とあります。ここで重要なのは、個人として、日々、実践する、(I serve)というところです。

ロータリーの創始者ポール・ハリスは、その自伝「ロータリーへの私の道」の中で「ロータリーの会員は、そのひとりひとりが、自分の職業とロータリーの理想とを結ぶ環である」と書いています。クラブ会員は自己の職業の代表者としてロータリークラブに入会したのですから、同僚ロータリアンに対しては自己の職業の代表者となり、ロータリアン以外の人、特に職業上の知己に対してはロータリーの精神を代表する責務を負います。この二つの責務が職業奉仕の基盤となります。このように考えると、ロータリーの他の奉仕部門がクラブ会員全員による協力活動(We serve)を強調しているのに対して、職業奉仕はロータリアンひとりひとりが職業に携わっている中で自ら奉仕する(I serve)ことを主として強調しています。多くの奉仕団体がWe serveであるのに対して、ロータリーはI serveを基盤としているところが大きな特徴となっています。

 第4 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。

ロータリーは国際的な組織ですから、ロータリー財団を通じての職業奉仕プログラムがいくつかあります。ロータリーの職業研修チーム(VTT)などです。

 このように「ロータリーの目的」を職業奉仕の視点から見てみると、ロータリーの職業奉仕の目指しているものが見えてくると思います。職業奉仕は一人一人が高潔性と高い倫理基準を持って日々実践してゆくものです。本日の地区委員長のお話と合わせて一人一人が考えを深めていただければと思います。

 次回来週は、クラブで行う職業奉仕について見てゆきたいと思います。