’23-12-06 会長挨拶 北村 淳

 12月は疾病予防と治療月間です。先週小島会員からロータリーの友の認知症の記事紹介がありました。みなさん読まれましたでしょうか?

2022年の日本の65歳以上の高齢者は3,627万人に達し、総人口の29.1%になりました。これは世界一の比率です。2位のイタリアが24.1%ですから、堂々の1位。日本は平均寿命も84.3歳と世界一です。高齢化に伴って認知症の発症者も増える傾向にあり、2025年までに65歳以上で認知症の人は650万人を超え、約5人に1人が発症すると推計されています。と恐ろしいことが書かれています。認知症の原因は数限りなくあり次のものが挙げられています。聴力低下、脳への外傷、高血圧、喫煙、うつ病、社会的孤立などです。ロータリークラブとして、この疾病とどう向き合い、どう行動すればいいのか。その活動事例が紹介されています。

 福井東RCの認知症の人も家族も安心できる地域づくりとして「オレンジハート運動」が紹介されています。全国では、さまざまな病気の啓発のため、シンボルカラーを使ったライトアップイベントが実施されています。乳がん撲滅のためのピンクライトアップ、糖尿病の予防や治療を目的としたブルーライトアップなど。高幡不動尊の五重塔も11月にブルーライトアップされていました。認知症支援活動のシンボルカラーはオレンジです。そこで、このオレンジ色で街の名所を照らし、認知症への理解を訴えようとライトアップを実施しました。事前にクラブ内で認知症に関する卓話を行い、認知症サポーター養成講座を開催しました。5年間にわたり事業を継続しています。ライトアップに加え、県内各所でパネル展や講演会、研修会などが行われました。認知症は、発症した人だけの問題ではありません。家族の問題だけにしてもいけません。地域で支えれば、安心が生まれます。一人一人は小さな「点」でも、活動を続ければ「線」となり、「面」へと広がってゆきます。という奉仕活動が紹介されています。

 調布市仙川に「注文を間違えるカフェ」がオープンしました。認知症スタッフがサービスを行うカフェです。「オレンジデイSENGAWA」が月1回「注文を間違えるカフェ」を運営しています。配膳しやすいよう、軽い食器やトレーなどを用意し、注文票は見やすく書きやすい工夫を取り入れ、運営スタッフがサービスの補助を行うとのことです。このような取り組みが世の中に広がって来ているのを感じます。

 終わりにロータリーの友の記事の松原医師が個人的に思っていることですが、「ロータリアンは比較的認知症になりにくい」という現象があるようです。ロータリーを通じた社会参加が関係しているのかもしれません。また、「はい」「イエス」「喜んで」と言われるようにロータリーにいると色々な役職が回ってきます。それらを通して普段使っていない脳が活性化されるのではないかと思います。認知症予防を兼ねて、今後とも活発なロータリー活動をお願いいたします。